皮膚の病気について
皮膚の病気は多岐に渡ります。
皮膚は目に見えるのだから診断ができて当たり前と思われているかもしれません。
確かに見た瞬間答えに至ることも有りますが、多くの情報はむしろ患者さんからの問診や検査により得られています。
見た目と問診や検査から得た情報を総合し、より確かな診断に結びつけます。
患者さんのお話を頼りに診断にいたるケースも多いので、何でもお気軽にお話して下さい。
一般皮膚科の対象疾患
●皮膚科のよくある疾患
湿疹
特によく使用する病名です。何時間も待たされて湿疹ですと言われて残念な気持ちで病院を後にする方も居ると思いますが、皮膚科の1/3の症例が湿疹に分類されます。皮疹に特徴が有ったり、原因が特定されるものは特別に名前がついてますが、それ以外は症状の出現長さで区別しています。湿疹と1口で言っても皮疹の見た目は様々です。そして原因は分布や問診などをヒントに考えます。例えばいわゆる手湿疹といっても職業、生活習慣、アレルギーの有無により注意するポイントがかわります。
アトピー性皮膚炎
大人のアトピー性皮膚炎は重症の方が多いです。元々のアレルギー素因に加え生活習慣や職業、ストレスが大きく症状に作用しています。子供の頃と違い忙しくて満足に外用できないという方が多いのでその様な方のニーズに合わせた治療を提供させて頂きます。
蕁麻疹
特発性蕁麻疹、刺激誘発性蕁麻疹、血管浮腫、その他色素性蕁麻疹等に分類されています。特発性というと特別何かあるようですが、内因性の原因がない多くの場合こちらに含まれます。刺激誘発性は原因がありそれにより誘発される蕁麻疹です。物理的刺激であったり、ある特定に食物であったり、蕁麻疹となるきっかけが本人も分かっている場合が多いです。感染症に伴う蕁麻疹や一過性のストレスに伴うものでは数週間のうちに改善してしまうことがほどんとですが、慢性蕁麻疹と診断された場合は数年単位で内服する方がいます。治療は内服が主体です。重症の方では何種類かの内服薬を同時に服用する提案をさせて頂きます。
脂漏性皮膚炎
主に頭部、眉毛、鼻唇溝、脇、陰部等に生じるフケの様なものが表面に付くのが特徴です。皮脂の分解産物の刺激やカビの一種であるマラセチアが原因として挙げられる為、炎症を抑えるステロイド外用やカビを抑える抗真菌薬で治療を継続する事が一般的です。
痒疹
激しい痒みが特徴で小さなしこりの様なの皮疹が多発性に生じてきます。虫刺されのあとやアトピー性皮膚炎の方など原因が明らかな場合もありますが、多型慢性痒疹や結節性痒疹等長期に渡り繰り返される場合、治療抵抗性の場合は悪性腫瘍や内因性の基礎疾患が隠れていないか検査する必要が有ります。
乾癬
乾癬は強い炎症を伴う皮膚の表面にフケの様なカサカサがたくさん生じてくる病気です。現在では遺伝的要因に様々な要因が複合され出現すると言われています。症状は強い方では頭から爪まで全身に出現しますし、小範囲ですむ方もいます。また関節炎をおこし痛みを訴える方もいます。乾癬の治療方法はステロイドやビタミンD3の外用、免疫抑制剤、紫外線療法、生物学的製剤等種々の中から皮疹の面積や出現部位、関節炎の有無により決められます。
掌蹠膿疱症
手や足に赤みや膿疱、皮膚が剥けた様な状態になります。タバコや虫歯、歯科金属アレルギー、溶連菌感染に伴い生じる事があり採血検査やパッチテスト等の検査をすることが有ります。ステロイドやビタミンD3の外用、コルヒチン、チガソン等の内服、紫外線療法等行います。
円形脱毛症
突然髪の毛が剥けてしまう病気です。原因として毛包周囲の自己抗原抗体節が想定されています。進行性の時期にはステロイドの外用、内服等行いますが、症状が固定してくるとステロイドの局注やSADBEやDPCP等の局所免疫療法を行います。
粉瘤
中心に穴の様なものあるいは黒い点があり周囲が比較的固いコロコロしたものが触れたらそれが大体粉瘤です。一番多く手術されている腫瘍です。皮膚の中には袋状の膜がありその中に垢が貯留していき大きくなりやがて袋が破け炎症がおき激しい痛みになります。何度も炎症を繰り返しているものより炎症をおこしたことのない腫瘍の方が簡単に摘出できますのでコロコロしてきた時が取り頃です。
手術は局所麻酔を周囲に注射して穴あるいは黒い点と共に袋を取り出します。皮膚を舟状に切って腫瘍を取り出す方法や小さな穴を空けて内容物を取り出してから袋を取り出すくりぬき方が有ります。小さいものではどちらも綺麗な傷跡になります。大きいものではどちらにしろ内容物は排出させた方が傷が小さくなります。平らな傷にしたい方は舟状で切除する方法をやや凹凸ができてもさらに小さい傷にしたい方はくりぬく方を選択すると良いと思います。
手術は局所麻酔を周囲に注射して穴あるいは黒い点と共に袋を取り出します。皮膚を舟状に切って腫瘍を取り出す方法や小さな穴を空けて内容物を取り出してから袋を取り出すくりぬき方が有ります。小さいものではどちらも綺麗な傷跡になります。大きいものではどちらにしろ内容物は排出させた方が傷が小さくなります。平らな傷にしたい方は舟状で切除する方法をやや凹凸ができてもさらに小さい傷にしたい方はくりぬく方を選択すると良いと思います。
ニキビ
ニキビは皮脂腺分泌が発達することで生じるので、早いお子さんですと小学校高学年より出現するいわゆる青春のシンボルです。年齢で症状は改善しますが、炎症が強いと痕に残ってしまうことがありますので早期治療が推奨されます。最近女性では20代の頬のニキビ、30代の口回りのニキビが多く、男性の相談も増えています。自分では中々見れない背中のニキビも治療対象です。以前は抗生剤入りの外用が中心でしたが、近年過酸化ベンゾイルやアダパレンといった新しいタイプの外用薬が主流となってきました。また男性に多い非常に重度な瘢痕や炎症が酷い方も対応しますのでご相談下さい。
ヘルペス
体のどこにもでますが、口唇や陰部に多く痛みを伴う小水疱が出現します。特に陰部の初感染での発症は激痛を伴うことが多いです。治療は抗ウイル薬を5日間内服します。一度発症すると何度も繰り返し出現する方がいらっしゃいますが、1か月に何度も繰り返す方は1日1錠毎日の内服する方法も有ります.時々帯状疱疹として治療を受けてる場合がありますが、ウイルスの種類が違います。
帯状疱疹
水疱瘡のウイルスの再活性化によって生じます。症状は片側性で、先ずは神経の支配領域のある部分の違和感が生じます。次第に疼痛が生じてきて(軽度の場合は痒みという方もいます)淡い紅い皮疹が出現します。そのあと水疱が現れます。この一連の流れの時間軸は人それぞれですが大体1週間以内です。その後水疱が痂疲かするとウイルスの存在は無くなりますが、神経障害による疼痛が残る事がありそれが数か月がら年単位で継続します。ウイルス自体は抗ウイルス薬を7日間投与して終了です。痛みに対しては生活に支障が生じることが有りますので積極的に内服でコントロールしていくようにします。顔面に生じるものの中には目や耳や顔面神経に悪さをする事が有りますので入院をお勧めする場合が有ります。
あせも
特に乳児期は夏の季節オムツ部位に沿ったもの胸や背中、首などに細かな紅色丘疹が多発します。適切なシャワ―浴で改善していきます。
とびひ
正式名称は伝染性膿痂疹といいます。
始まりは鼻や口等常在菌が増殖しやすい場所を掻いたり、湿疹や虫刺されなど痒みがあるところを汚い手で掻いてたりしているうちに皮膚の細菌感染が成立し、更にその手で他の部位を掻いてしまうことにより皮疹が次々拡大していきます。
小児のとびひは表面に水ぶくれや皮膚むけができぐちゅぐちゅしてくるタイプが多いです。抗生剤の内服薬が著効します。
始まりは鼻や口等常在菌が増殖しやすい場所を掻いたり、湿疹や虫刺されなど痒みがあるところを汚い手で掻いてたりしているうちに皮膚の細菌感染が成立し、更にその手で他の部位を掻いてしまうことにより皮疹が次々拡大していきます。
小児のとびひは表面に水ぶくれや皮膚むけができぐちゅぐちゅしてくるタイプが多いです。抗生剤の内服薬が著効します。
水いぼ
始まりは好色のぷつぷつした小丘疹なので湿疹と区別できないことまありますが、徐々に増大して緊満したドーム状のできものになります。中心にくぼみができます。治療は外用のみで経過観察するか痛み止めのテープを貼って摘出するか相談の上行います。
多発すると痒みが強く出ることや摘出することが大変になるため早めの受診をお勧めします。
多発すると痒みが強く出ることや摘出することが大変になるため早めの受診をお勧めします。
陥入爪、巻爪
原因は遺伝(足の形)、爪の切り方、靴の選び方、歩き方、体重等多岐にわたります。陥入部の痛みと反応性の肉芽を伴います。痛みをとるだけであれば、テーピング、ガタ―法、ワイヤーを用いた各種治療法、手術等が有効です。
タコ
専門用語では胼胝といいます。刺激が多い場所の皮膚が硬く分厚くなってきます。
痛みがあれば切除したり皮膚を柔らかくするお薬を外用します。また履いている靴や足の変形、歩き方等総合的な診察の上、なりずらくする指導が可能です。
痛みがあれば切除したり皮膚を柔らかくするお薬を外用します。また履いている靴や足の変形、歩き方等総合的な診察の上、なりずらくする指導が可能です。
魚の目
専門用語で鶏眼と言います。中心が芯のようになりそれ内部に刺さり痛くて歩けないようになます。痛みがあれば切除したり皮膚を柔らかくするお薬を外用します。また履いている靴や足の変形、歩き方等総合的な診察の上、なりずらくする指導が可能です。
ホクロ
母斑細胞という細胞が増殖してきます。ホクロ自体は悪性では有りませんので悪性化することは定義上有り得ません。ただ隆起性のものはどんどん隆起してくる事、またメラノーマや基底細胞癌等の黒色を呈する皮膚がんとの鑑別が重要になります。ダーマスコピーという拡大鏡で観察します。ほどんとの症例は典型的ですが、多くの皮膚科の専門医が100%良性だと思っていても病理に提出すると悪性であったりまたその逆も、数ある症例の中には有りますので、診断には外観は勿論、年齢や大きさ、発生時期等総合的な判断と慎重な経過観察が必要です。
手湿疹
手湿疹と一言でいっても原因は様々です。家事をする女性、料理人、美容師、服飾関係、工場の職人、デスクワーク等手湿疹になり易いです。ただ保湿が足りなくてなっているのか、アレルギーに由来するものなのか、カビによるものなんかとその原因を取り除かないと外用しても何度も新たに皮疹が生じてきます。かなり根気強い治療が必要です。
水虫(足白癬)
白癬菌(水虫)が足や爪、股に感染して生じます。爪に生じると爪がボロボロしたり、分厚く肥厚し白濁してきます。市販の外用薬では改善しません。股は湿疹と間違え湿疹用の外用をしていると広がります。
乳児湿疹