皮膚の病気について
皮膚の病気は多岐に渡ります。
皮膚は目に見えるのだから診断ができて当たり前と思われているかもしれません。
確かに見た瞬間答えに至ることも有りますが、多くの情報はむしろ患者さんからの問診や検査により得られています。
見た目と問診や検査から得た情報を総合し、より確かな診断に結びつけます。
患者さんのお話を頼りに診断にいたるケースも多いので、何でもお気軽にお話して下さい。
一般皮膚科の対象疾患
●かゆい感染症
足白癬・爪白癬・股白癬
白癬菌(水虫)が足や爪、股に感染して生じます。爪に生じると爪がボロボロしたり、分厚く肥厚し白濁してきます。市販の外用薬では改善しません。股は湿疹と間違え湿疹用の外用をしていると広がります。
虫刺症
春から夏にかけて様々な虫に刺されます。勿論直後の痒みを抑える事は重要です。そのまま放置すると痒疹と言い中々治りずらいしこりになってしまうことが有ります。
疥癬(ヒゼンダニ)
医療従事者、介護施設従事者、デイサービスに通っている方、またはその家族に多い病気です。非常な痒みを伴います。皮疹は赤みや皮膚が薄く剥けたようであったり、しこりであったり、痒きすげてしまうと疥癬だけの皮疹では無く修飾されてしまします。診断はだーもスコピーで探した怪しい部位の皮膚を軽く切除し、顕微鏡で疥癬や卵を見つけます。現在外用薬でも効果的に治療可能となりました。
マダニ刺咬症
山登り等のレジャーのあと、何か動いてるものがくっついている!!と来院されます。ボレリアに感染しライム病を発生することがあり、抗生剤を投与します。無理に引っ張ると刺し口だけ皮膚に残ってしまいます。来院して取ることをお勧めいたします
マラセチア毛包炎
マラセチアはカビの一種で背中や胸にニキビの様な皮疹が多発したら疑い顕微鏡で検査します。また、ニキビと言われて治療していても中々治らない方の中にも時々紛れています。
●痛い感染症
帯状疱疹
水疱瘡のウイルスの再活性化によって生じます。症状は片側性で、先ずは神経の支配領域のある部分の違和感が生じます。次第に疼痛が生じてきて(軽度の場合は痒みという方もいます)淡い紅い皮疹が出現します。そのあと水疱が現れます。この一連の流れの時間軸は人それぞれですが大体1週間以内です。その後水疱が痂疲化するとウイルスの存在は無くなりますが、神経障害による疼痛が残る事があり、ひどい方だと数か月がら年単位で持続します。ウイルスに対する治療は抗ウイルス薬を7日間投与して終了です。痛みに対しては生活に支障が生じることが有りますので積極的に内服でコントロールしていくようにします。顔面に生じるものの中には目や耳や顔面神経に悪さをする事が有りますので入院をお勧めする場合が有ります。
ヘルペス
体のどこにもでますが、口唇や陰部に多く痛みを伴う小水疱が出現します。特に陰部の初感染での発症は激痛を伴うことが多いです。治療は抗ウイルス薬を5日間内服します。一度発症すると何度も繰り返し出現する方がいますが、頻回に繰り返す場合は1日1錠毎日の内服を継続する方法も有ります.時々帯状疱疹として治療を受けてる場合がありますが、ウイルスの種類が異なります。
イボ
イボと言っても様々な種類が有ります。最もよくあるのは手や足に出現する掌蹠疣贅です。大きくなると硬くなり痛みが生じます。顔に出やすいのは扁平疣贅で比較的広範囲に広がります。その他手足に生じやすいもの糸状に突起しているもの等たくさんの種類が有ります。ウイルス性の感染症なので自分の皮膚で広がりますし、密着で他人にもうつります。保険適応は液体窒素による凝固療法です。
丹毒
皮膚真皮層までの細菌感染で溶連菌の感染が主である。顔面に多く皮膚は赤く、熱感を伴い触った感じも厚ぼったくなります。治療は抗生剤である。
蜂窩織炎
皮膚の真皮から皮下組織まで広範囲な細菌性感染症であります。下肢に多く疼痛で歩行困難となり来院される方が多いです。治療は安静と抗生剤になります。
爪周囲炎
細菌やカンジタと言うカビの仲間による感染症でなる場合が多いです。細菌性の場合赤くなったあと化膿してきます。カビの場合が皮膚回りが剥けて赤くなってきます。
●性感染症
尖圭コンジローム
陰部や肛門に鶏のとさかの様な皮疹が多発してくるウイルス性の感染症です。外用薬が第1選択です。液体窒素や切除を行うことも有ります。
梅毒・HIV
若者から中年まで最近増加傾向です。外来では、特に若い男女が多くなってる印象を受けます。少子化の日本においてさらに少子化が進む原因になるのではと危惧しております。
当院では、現在皮疹等がない方でも、自費での検査を受け付けております。
検査をご希望の方は、問診表に「自費採血希望」と記入してください。